こんにちは、宗田玲子です。今日は、恋愛の中で意外と多くの人が抱える「言葉にできない気持ち」について、お話ししたいと思います。あなたは「察してほしい」と思いながら、それを口に出せずにいませんか?
察してくれ、が言えない――恋愛にひそむ”沈黙の期待”
「なんで気づいてくれないんだろう」
スマホを見つめながら、ため息をついた経験はありませんか?相手からのメッセージを待ちながら、自分から送るのをためらう。会話の中で傷ついたのに、それを指摘できない。「ちょっと寂しい」と思っても、素直に言えない。
恋愛の中で、私たちは思いのほか多くのことを「言葉にしないまま」相手に伝わることを期待しています。💭「わかってくれるはず」「気づいてくれるよね」という期待は、時に甘い恋の一部であり、時に関係を苦しめる沼にもなります。
特に関係が深まるほど、「言わなくてもわかるでしょ」という無言の了解事項が増えていきます。でも、その「わかるはず」という期待がすれ違いの始まりになることも多いのです。
私自身、過去の恋愛では「察してほしい」気持ちを抱えては傷ついていました。彼が私の誕生日のプレゼントに特に考えた様子もなく、定番のものを渡してきたとき。「これでいいよね?」と聞かれて、本当は少し寂しかったけど「うん、ありがとう」と笑顔で答えたことがあります。その後、友人には「もう少し考えてくれてもいいのに」とこぼしていました。今思えば、なぜ素直に「もう少し私の好みを考えてほしかったな」と言えなかったのだろうと思います。
【💡行動ヒント:「察してほしい」と感じる瞬間を、ノートに書き出してみましょう📎理由:漠然とした不満を具体的に認識することで、自分の期待に気づくきっかけになります】
わかってくれない人?わかってと言えない私?
「どうして私の気持ちがわからないの?」
そう思う時、私たちは相手を責めがちです。でも、本当に問題なのは「わかってくれない相手」なのでしょうか?それとも「わかって、と言えない自分」なのでしょうか?
多くの場合、その答えは二つの間にあります。確かに、細やかな気配りができる人もいれば、言葉で明確に伝えないと理解しづらい人もいます。でも、自分の期待や希望を相手に伝えることなく、「わかるはず」と一方的に期待するのは、実は相手に対して少し不公平なのかもしれません。
私の友人のケイコは、付き合って3年の彼氏との関係に悩んでいました。「私が体調悪いときに、気づいてケアしてくれない」と。けれど話を聞いていくと、ケイコは具合が悪くても「大丈夫」と言い続けていたのです。😢「心配させたくなかった」という優しさからでしたが、それが逆効果になっていました。
「でも、言わなきゃわからないの?」というケイコの言葉に、私は考えさせられました。確かに、察してほしい気持ちはとても自然なものです。けれど、それを言葉にできないまま溜め込んでいくと、いつしか「この人は私のことをわかっていない」という不満に変わっていきます。
【💡行動ヒント:相手に「わかってほしい」と思う前に、まず「私が何を望んでいるか」を自分自身に問いかけてみましょう📎理由:自分の気持ちを明確にすることが、伝える第一歩になります】
いつから「伝えないこと」が当たり前になったのか
私たちはいつから、自分の気持ちを言葉にしないことを選ぶようになったのでしょうか。
子どもの頃は違いました。欲しいものがあれば「ほしい!」と言い、悲しければ泣き、嬉しければはしゃぎまわっていた。いつからか、私たちは「察してほしい」と思いながらも、自分の気持ちを隠すようになりました。
その理由はさまざまです。過去の経験からくる傷つきへの恐れ、相手との関係性を壊したくない思い、「わがまま」だと思われたくない気持ち。あるいは単に「言わなくてもわかるはず」という期待。
私自身、以前の恋愛で「どこに行きたい?」と聞かれて「どこでもいいよ」と答えながら、内心では「考えてほしい」と思っていた時期がありました。💭 なぜそう答えたのか振り返ると、「相手の負担にならないよう気を遣っていた」ことに気づきました。でも、それは本当に相手のためだったのでしょうか?むしろ、自分の希望を言って断られる可能性や、相手との衝突を避けたかったのかもしれません。
気づかないうちに、私たちは「言わなくていい関係」を理想としてしまいがちです。けれど、人間は心を読むことはできません。むしろ、言葉を通じて少しずつお互いを理解していくものなのです。
【💡行動ヒント:「言わなくてもわかってほしい」と思う背景に、どんな恐れや期待があるか考えてみましょう📎理由:自分の無意識の行動パターンに気づくことで、新しい選択ができるようになります】
言葉にする怖さ、言葉にしない苦しさ
「言えばよかった」と後悔することはあっても、「黙っておけばよかった」と後悔することは意外と少ないかもしれません。
なぜ私たちは自分の気持ちを言葉にすることをためらうのでしょうか。その理由の一つは「拒絶への恐れ」です。自分の気持ちや欲求を伝えて、それが受け入れられなかったらどうしよう。そんな恐れが、言葉を飲み込ませます。
もう一つは「関係性の変化への不安」です。今の関係が壊れるのではないか、相手の目に映る自分のイメージが変わるのではないか。そんな不安から、自分の本音を押し殺してしまうのです。
しかし、言葉にしないことの苦しさも、次第に大きくなっていきます。「わかってくれない」という失望感、自分の気持ちを抑え込む疲れ、そして少しずつ広がる二人の間の見えない溝。
私の経験では、ある長い恋愛の終盤、彼との間に「言えないこと」がたくさん溜まっていました。「もっと会いたい」「もっと話を聞いてほしい」「将来のことを考えてほしい」。でも、「重い女だと思われたくない」「この関係を壊したくない」という恐れから、それらを口にできずにいました。
結局、その関係は終わりましたが、今思うと「言えばよかった」と思うことばかりです。たとえ関係が終わるとしても、自分の気持ちに正直になることで、次につながる学びがあったはずだから。
【💡行動ヒント:小さなことから、自分の気持ちを言葉にする練習をしてみましょう。「今日はこのレストランに行きたい」「この映画を見たい」といった希望から始めるといいかもしれません📎理由:小さな成功体験が、より重要な気持ちを伝える自信につながります】
「気づけた私」から始める、小さな言葉の一歩
「察してほしい」という願いそのものは、決して悪いものではありません。むしろ、相手に大切にされたいという自然な気持ちの表れです。ただ、それを言葉にしないまま期待し続けることが、関係を苦しくしてしまうことがあるのです。
だからこそ、「気づけた私」から変化を始めてみませんか?
まず、自分自身の「察してほしいポイント」に気づくことが第一歩です。自分がどんなときに「わかってほしい」と思うのか、そのパターンを認識してみてください。記念日を覚えていてほしい?体調を気遣ってほしい?話をしっかり聞いてほしい?その「ほしい」を具体的にしてみると、伝えるべきことが見えてきます。
次に、小さな一歩として、日常の中で少しずつ自分の気持ちを言葉にしてみましょう。💡「今日はちょっと疲れてるから、抱きしめてほしいな」「この前のことで、少し寂しかったんだ」といった素直な気持ちを伝えてみるのです。
最初は勇気がいるかもしれません。でも、自分の気持ちを言葉にすることで、相手もあなたをより理解できるようになります。そして何より、自分自身が少しずつ楽になっていくはずです。
友人のミキは、長年付き合っている彼氏に「もっと二人の将来の話をしたい」と伝えられずにいました。でも、勇気を出して話してみると、彼も同じことを考えていたと分かり、関係が一気に深まったそうです。彼女は「言えてよかった。もっと早く話せばよかった」と笑っていました。
全てが理想通りになるわけではありません。でも、自分の気持ちを少しずつ言葉にしていくことで、関係は驚くほど変わっていくものです。「察する・される」の沼から抜け出して、お互いが言葉を交わしながら理解し合える関係へ。その第一歩を、今日から踏み出してみませんか?
【💡行動ヒント:パートナーと「察してほしいこと」について話し合う時間を作ってみましょう📎理由:お互いの期待を知ることで、相手が気づきやすいポイントと、言葉で伝えたほうがいいことの境界線が見えてきます】
「わかってほしい」という願いと「伝えられない」という葛藤の間で揺れ動く心。それは、誰もが経験する恋愛の一部です。完璧な理解者を求めるのではなく、自分の気持ちを少しずつ言葉にしていく勇気。そして、相手の「わからない」を受け入れる優しさ。
そんな小さな一歩の積み重ねが、沈黙の恋愛から、言葉が行き交う豊かな関係へと変えていくのだと思います。あなたの中の「気づけた私」が、その第一歩を踏み出す力になりますように。
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